takshigaempのブログ

救急医!志賀隆 Takashi Shiga MD MPH

米国救急専門医です! たらい回しをなくしたい!ヘルスリテラシー・情報格差の改善を!元気で個性的な人材を育成をしたい! ※発言・文章は個人のもので組織のものではありません

アメリカでは女性救急医は約25%! 何人もの女性が救急医学会の代表理事を務めています!

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- 救急医としてのロールモデル Dr. Annie Sadosty

     Mayo Clinic Department of Emergency Medicine      -

 

今回は私が体験したアメリカでの女性救急医の実際はどうだったかをご紹介したいと思います。

-毎日新聞医療プレミアより抜粋-

 

□学会としての姿勢

アメリカ救急医学会は積極的に女性救急医を増やそうとしていました。私自身も、ER型救急を深く学びたいと思いって全米で最も優れた病院の一つに数えられる「メイヨークリニック」を選択したのは、とても誠実で、素晴らしい内容の臨床と研修を提供する女性のプログラムディレクター、Dr.Sadostyに憧れたからでした。

 

アメリカの女性救急医の現状は?

 アメリカの医学生に占める女性の割合は、現在約50%となっています。一方、救急の専攻医であるレジデント(研修医)に占める女性医師の割合は2013―2014年には36.2%(2007-2008年は35.4%)となっています。そして、2013年時点で救急医療に従事している女性救急医の割合は25.5%です。

 救急では、夜間や休日・週末などの業務もありますし、重症患者さんの蘇生、複数患者さんへの対応が求められるなど負担が重いため、女性が少ない傾向であったのかもしれません 。

 では、アメリカ救急医学会はそのような職場環境の中で、日本のように「男性を多くとるべきだ」と考えたのか?というと、そのような姿勢はありません。2016-2017年の代表理事の、Dr.Parkerは女性ですし、今までにそれ以前にも何度も代表理事を女性救急医が務努めています。

 むしろ、女性救急医が

・多様性

・創造性

・質の高い救急医療

――などのために必要であるためなので増やしていくべきだ。、という姿勢をとっています。

 幸い、日本救急医学会も女性救急医のリクルートに前向きです。まだ日本救急医学会の今のところ女性会員数は10%であるもののはありますが、女性救急医の数は着実に増えています。早急にアメリカ同様、女性の代表理事が誕生してほしいと、私は思っています。

 

 では実際にアメリカで女性救急医がの活躍を可能にしたできるようになる仕組みは何だったのでしょうか?いくつか挙げててみたいと思います。

・フレキシブル柔軟な労働時間

・実働8~9時間のシフトを使った夜勤も含めた体制(夜勤を含む)

・研修中も出産ができるようなシステム

――が3本の柱です。

 

アメリカの救急医の柔軟な働き方フレキシブルな労働時間があった!

 日本はフルタイムで働く医師の労働時間や仕事量の規定が曖昧で、時間、量とも非常に大きいため一方、大学院に通ったり子育てをしたりしながら働くパートタイム医師が大学院や子育てなどに柔軟に対応しづらいすることが難しい状況にあります。一方アメリカでは、性別を問わずFull time equivalent(FTE=正職員)という呼ばれる常勤医に求められる勤務時間と業務内容がしっかりと決まっていて、そしてそれが部門の中でシェア意識共有されていました。FTE1.0はフルタイムワーカー(日本なら週40時間)という意味で、週32時間労働ならFTE0.8、20時間ならFTE0.5と呼ばれ、労働時間で給与が決まります。FTE0.5までは「時短正職員」という扱いになります。FTE1.0の仕事内容と量がわかりやすく規定されているため、時短正職員も働きやすくなっています。

 例えば、大学病院の常勤の救急医は9時間の臨床シフトが週に3回、残りの13時間は臨床に関連した書類(アメリカの電子カルテは日本よりもかなり詳細な記載が必要で、シフト時間以外に仕上げるひつよう必要があります。)、教育・研究に充てるようになっています。

 

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米国で女性救急医の活躍を可能にしたシフト制 | ER Dr.の救急よもやま話 | 志賀隆 | 毎日新聞「医療プレミア」