takshigaempのブログ

救急医!志賀隆 Takashi Shiga MD MPH

米国救急専門医です! たらい回しをなくしたい!ヘルスリテラシー・情報格差の改善を!元気で個性的な人材を育成をしたい! ※発言・文章は個人のもので組織のものではありません

COVID-19に曝露した可能性のある医療従事者 2

CDCの以下のリンクを翻訳しています。 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-risk-assesment-hcp.html 改善していくので(ただ原文から離れた内容にできないのでいわゆる直訳感は強く残ります)ぜひご意見くださいませ。

 

II.曝露リスクカテゴリの定義

2019-nCoVの感染経路として呼吸器分泌物以外の体液が明らかに示されていません。しかし、さらにデータが利用可能になるまでは、血液、便、嘔吐、尿など、他の体液との保護されていない接触も、医療従事者を2019-nCoVの感染リスクにさらす可能性があると見なされるべきです。

 

リスクを決定する際に、考慮すべき要素には次のようなものが含まれます:曝露期間(例、曝露時間が長くなると曝露リスクが増加する可能性があります)、患者の臨床症状(例、咳により曝露リスクが増加する可能性があります)、患者がフェイスマスク(呼吸分泌物が他人や環境を汚染するのを効率的にブロックします)を着用しているかどうか、エアロゾルを生成する手技が実行されたかどうか、および医療従事者に使用されたPPEのタイプ。

ただし、2019-nCoVの感染リスクに関するデータは現在不完全であり、現在のリスク決定の正確性は限られています。

表1に、リスク評価の参考に使用できるシナリオを示します。これらのシナリオは、すべての潜在的な曝露シナリオを網羅しているわけではなく、臨床的判断または個別の公衆衛生管理を目的とした個々のリスク評価に、取って代わるべきではありません。個人またはグループの動きを制限したり、特定のモニタリング要件を課したりする公衆衛生上の決定は、個人またはグループのリスクの評価に基づいている必要があります。医療施設は、公衆衛生当局と協議しながら、この手引きで概説した概念を臨床的判断とともに使用し、リスクを決定し、労働制限の必要性を判断する必要があります。

 

この手引きにおいて、リスクの高い曝露とは、医療従事者の目・鼻・口が保護されていない時に、2019-nCoV感染の患者に対してエアロゾルを生成するもしく呼吸分泌の制御が不十分である可能性が高い(例、心肺蘇生、気管挿管、抜管、気管支鏡、ネブライザー療法、喀痰検体採取)手技を行ったもしくは病室に居合わせた医療従事者のことを指しています。

 

中リスクの曝露には、一般に2019-nCoVからの感染の可能性のある物質に手や粘膜の曝露されるような形で2019-nCoVに感染した患者に長時間の密な接触がある医療従事者が含まれます。これらの曝露は、曝露された医療従事者を、高リスクで説明されているよりも低い形で、2019-nCoVに感染するリスクにさらす可能性があります。

 

推奨されているすべてのPPEを含む、現在推奨されている感染制御規則を適切に遵守することで、2019-nCoVに感染した患者と長期にわたって密に接触する医療従事者を守ることができます。ただし、このカテゴリの医療従事者は、認識されない曝露につながる可能性のあるPPEの使用または感染制御規則の遵守の不徹底の可能性があるため、低リスクと分類されます。

 

患者との直接の接触がなく、アクティブな患者管理エリアに入らない、日常の安全措置を遵守している医療従事者は2019-nCoVへの曝露のリスクがあるとは見なされません(すなわち、同定可能なリスクなしとなります)。

 

現在、手引きは、2019-nCoV感染が確認された患者への医療環境において潜在的な曝露を伴う医療従事者に適用することを意図しています。ただし、医療従事者の曝露には、通常、テストを待っているPUIも含みます。PUIのテスト結果が48〜72時間以内に戻らないと予想される場合、この手引きで説明されているモニタリングと労働の制限の実施は、PUIに曝露された医療従事者に適用できます。PUIに曝露された医療従事者の記録は引き続き維持する必要があり、テスト結果を待つ間に医療従事者が自己モニタリングを実行することが推奨されます。結果が72時間以上遅れる場合、または患者が2019-nCoVに陽性である場合、この文書に記載されているすべてのモニタリングと労働制限に従う必要があります。

 

表1:2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染患者または医療環境での分泌物/排泄物に、曝露された無症候の医療従事者の疫学的リスク分類1、および関連するモニタリングと労働制限の推奨事項

 

この文書での高リスクと中リスクの曝露の区別は、そのどちらも医療従事者を感染のリスクにさらすため、やや人工的です。したがって、積極的なモニタリングと労働制限の推奨事項は、どちらの曝露についても同じです。ただし、これらのリスクカテゴリは、旅行関連またはコミュニティの環境における2019年の新型コロナウイルス(2019-nCoV)潜在曝露者のリスク評価と公衆衛生管理に関する暫定米国手引きに記載されているリスクカテゴリに合わせて作成されました。この手引きではリスクの高い曝露に特定の検疫と旅行の制限について解説しています。ここで定義される医療従事者に適用される移動、公共活動、旅行制限に関する情報の暫定手引きを参照してください。

 

適用される最もリスクの高いカテゴリを使用して、モニタリングと労働制限を検討します。

 A.(目・鼻・口を保護せずに)医療従事者が、2019-nCoV感染の患者に対してエアロゾルを生成するもしく呼吸分泌の制御が不十分である可能性が高い(例、心肺蘇生、気管挿管、抜管、気管支鏡、ネブライザー療法、喀痰検体採取)手技を行ったもしくは病室に居合わせた医療従事者

 

・高リスク

・積極的モニタリング

・最終の曝露後14日間は出勤不能

 

B. 医療従事者がエアロゾルを生成するもしく呼吸分泌の制御が不十分である可能性が高い(例、心肺蘇生、気管挿管、抜管、気管支鏡、ネブライザー療法、喀痰検体採取)手技を行ったもしくは病室に居合わせた医療従事者でガウンと手袋を使っていない場合

注:医療従事者の目・鼻・は口も保護されていない場合、上記の高リスクカテゴリに分類されます。

 

・中リスク

・積極的モニタリング

・最終の曝露後14日間は出勤不能

 

C.(目・鼻・口を保護せずに)2医療従事者がフェイスマスクを着用していない患者と長期にわたって密接に接触している場合。

注:保護マスクは、フェイスマスクよりも高いレベルの感染防御を提供します。ただし、このシナリオでは、(たとえ保護マスクやマスクを着用した場合でも)マスクを着用していない患者と長時間密接に接触している間、目が覆われないままであるため、これらは同じグループになっています。

 

・中リスク

・積極的モニタリング

・最終の曝露後14日間は出勤不能

 

D.(目・鼻・口を保護せずに)2医療従事者がフェイスマスクを着用している患者と長期にわたって密接に接触している場合。

                                                                                                                                       

・中リスク

・積極的モニタリング

・最終の曝露後14日間は出勤不能

 

E.(手袋を着用していない)医療従事者が患者の分泌物/排泄物と直接接触しており、医療従事者が即時の手指衛生を実施できなかった場合。

注:医療従事者が接触直後に手指衛生を実施した場合、これは低リスクとみなされます。

 

・中リスク

・積極的モニタリング

・最終の曝露後14日間は出勤不能

 

F. フェイスマスクまたは保護マスクを着用している医療従事者でマスクを着用している患者長期にわたって密接な接触があった場合に限る

注:保護マスクは、フェイスマスクよりも高いレベルの保護を提供します。ただし、このシナリオでは、患者が感染限の管理のためにフェイスマスクを着用していたため、同じ低リスクとして分類されています。

 

・低リスク

・監督を委任した自己モニタリング

・出勤制限なし

 

G. 患者のケアもしくは分泌物/排泄物との接触中に、推奨されるすべてPPE(保護マスク、目の保護具、手袋、ガウン)を使用した医療従事者

 

・低リスク

・監督を委任した自己モニタリング

・出勤制限なし

 

H. 医療従事者(推奨されるすべてのPPEを使用していない)が、フェイスマスクを着用している/していない患者との短い接触がある(短時間の接触の例には、トリアージデスクでフェイスマスクを着用していない患者との短い会話;患者またはその分泌物/排泄物と直接接触することなく病室に短時間入室すること;患者が退院後すぐに病室に入室することがある)

 

・低リスク

・監督を委任した自己モニタリング

・出勤制限なし

 

I. 患者のそばを歩く医療従事者、または患者またはその分泌物/排泄物と直接接触せず病室に入らない医療従事者

 

・低リスク

・監督を委任した自己モニタリング

・出勤制限なし

 

HCP=医療従事者

PPE =個人用保護具

  

1 この文書での高リスクと中リスクの曝露の区別は人工的です。なぜなら、双方が医療従事者が感染をするリスクがあり、積極的なモニタリングと労働制限の推奨事項どちらの曝露でも同じだからです。ただし、これらのリスクカテゴリは、旅行関連またはコミュニティの環境における2019年の新型コロナウイルス(2019-nCoV)潜在曝露者のリスク評価と公衆衛生管理に関する暫定米国手引きに記載されているリスクカテゴリに合わせて作成されました。手引きは、高リスクの曝露に特定の検疫および旅行制限の基準の概要を示しています。この手引きではリスクの高い曝露に特定の検疫と旅行の制限について解説しています。ここで定義される医療従事者に適用される移動、公共活動、旅行制限に関する情報の暫定手引きを参照してください。

 

2 この手引きでは、「保護されていない」とは、特定の身体部分にPPEを着用しないことを意味します。たとえば、保護されていない目・鼻・口は、医療従事者が目の保護とフェイスマスクまたは保護マスクを着用していないことを意味します。保護マスクはフェイスマスクよりも高いレベルの保護を付与し、2019-nCoVの患者のケアには推奨されますが、フェイスマスクは依然として医療従事者にある程度の保護を提供します。これは、我々のリスクの評価において考慮されています。