「研修医よ、なぜ忘れる!」と怒ってはダメ 医師に取り入れてほしいアンガーマネジメントとは M3より
最近でこそ「先生は怒ることがあるのか?」「温和である」「そんなに穏やかで本当に救急やっているの?」なんて言っていただけることが増えてきた私ですが、もともとの性格は短気で、家族からは今でもよく指摘されています。研修医の時は同期と口論になってしまったり、お酒に酔った患者さんと険悪な雰囲気になってしまったこともありました。
私の職場の同僚を見ていても、怒りで我を失ってしまう人や、パフォーマンスが低下してしまう人がよくいます。「うまくアンガーマネジメントができていたら、起きなかったトラブルや疲弊があるのに残念!」と思うことが多いので、今回は「怒り」ついて取り上げてみました。
「温和」などの表現で私を言い表していただくことが増えた今でも、
「救急医は振り分けだけしていて何が楽しいんですか?」
「一生研修医みたいな診療していてやりがいあるんですか?」
あるいは、
「偉そうにしやがって!何様のつもりだ!(と飲酒後の患者さんに言われる)」
などの言葉を浴びると、お腹も満たされて、ぐっすり寝れた日ならまだ平然とできるかもしれませんが、忙しい時や疲労のある時にはついカッとしてまうこともあります。
発した主が抱く医療者に対する攻撃的な気持ちや、尊重すべき職場の同僚を見下している気持ちなど、ネガティブな気持ちを受け止めることになり、ストレスも感じます。とはいえ、怒りに捕らわれて我を忘れてしまっては、
・マルチタスクが必要で
・迅速な判断を
・正確に
が求められる救急医として日々大変な仕事を続けることは容易ではありません。怒りにとらわれないための「アンガーマネジメント」のポイントは以下の3つです。
(1) 怒ることには、さまざまな不利益が伴う。
(2) 怒ってしまったら怒りを回避することが大事!
(3) 怒りにくい体質を作ることが大事!
〇サンドバッグを殴ったらすっきりする?
抑えきれずそのまま怒りが表出してしまった場合、心臓の病気に関するリスク以外で身体にどのような影響があるのでしょうか?実は、表出してしまって「すっきりしたー!」とはならないのです。怒りの表出は「怒りという炎にガソリンをかけるようなもの」で、結局良くないという研究結果が出ています(参考)。また、「怒りを覚える状況のあとにサンドバッグを実際に殴ってみたらどうなるか?」という面白い研究もされています。結果は、「すっきりして平常心を取り戻せた!」ではなく、ますます攻撃的になったという残念なものでした)。やはり、自身と周りの関係を考えても、怒りの表出はなるべく回避した方がいいですね。
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