takshigaempのブログ

救急医!志賀隆 Takashi Shiga MD MPH

米国救急専門医です! たらい回しをなくしたい!ヘルスリテラシー・情報格差の改善を!元気で個性的な人材を育成をしたい! ※発言・文章は個人のもので組織のものではありません

「今時の若者は!」って怒ったりしませんか? そんなあなたのために 秋に本を出します (予告編)

序文

 

「いまどきの若者は?」といふセリフはプラトンの時代から言われている言葉です。そして、「人生の悩みの大半は人間関係である」とも言われます。キャリアの浅いころは自身より年配の先輩たちとの付き合いが悩みの大半ですが、実は多くの中年にとっては若者との付き合いかたの悩みこそがメインの悩みとなっています。

 

 こんな中で、「若者は理解できない」「彼は違う」「彼らはおかしい」といって若者をいたずらに批判し、「自身は常に正しい」と決め込む人も見かけます。私はこの姿勢こそが最も残念な姿勢であると思っています。もちろん、中年の医療職(どの職業でもですが)が、今まで通りのやり方を重視して、変化を好まないことは理解できます。変化に対応するには気力・体力が必要であり、中年では気力・体力は年々衰えていくのが自然なので。ただ、実際は老いを認めつつも、自らを自省し、成長を求めて日々を生きることが幸せな職場生活につながります。「このバカもの、若者!」と怒り心頭になる前に、「自分はなぜ怒っているのか?この怒りはすべて相手のせいなのか?私自身にも怒りの原因はないのか?」という謙虚な自省が必要です。

 

 一日に若者のできないことばかりを見つめて嘆息を繰り返している中年の医療職の夕方は楽しくないものであることは容易に想像できます。では、どうしたらいいのか?ポジティブ心理学の領域では1日3つ良いことを見つける習慣を持った人はそうでない人と比べれて幸せであることが知られている。中年の医療職には、若者のできないことばばかりをみるのではなく、1日3つ若者のよいところをみつけることをおすすめします。最初はいやいやで始めていいのです。その後に意外な副作用に気づくようになります。人の良いところを探して褒めている中年は明るく、前向きな人として人心が集まるようになるのです。

 

 このような話を聞くと気力体力の衰えた私にとって、そんな今更性格をかえるのなんて無理だ!新しいことを学ぶなんて億劫だ!ということばが聞こえて来そうです。その主張には一理あります。いわゆる「流動性知能」を示す代表格であるIQは年々衰えていくことは証明されています。しかし一方で、人生とともに培われる勘やコツといった「結晶性知能」経験とともに伸びることも証明されています。ですから、中年の医療者は億劫がらずにあたしい世代とコミュニケーションをとり、できる範囲で新しい価値観から学んでいくことが可能なのです。

 

 結果として、人間の幸せの源である

・熟達欲が満たされる。

・良好な人間関係が維持される。

・仕事も辛くなくなる。

 といった良い効果が現れます。最終的には、幸せが毎日たくさんあるため、自身の人生が前向きに幸せになるのです。「飲み屋のオヤジ・オバサン」から一歩を踏み出しませんか?

 

まとめ

・中年にとって「若者は!」という悩みは増えるものである。

・相手に怒るだけでなく「自分はどうなのか?」と振り返ることが必要である。

・若者の欠点をみつけるのではなく、長所を1日3つ探していく。

・中年でも結晶性知能は伸びる。

・上記を前向きに実践することで幸せな人生を歩めるし、自身に人心が集まる。